6月にエルサルバドル・ペルーに解消した日本の9月シリーズの第1戦は、ヨーロッパでのアウェードイツ戦。
本気の本気の本気のドイツと繰り広げられた一戦は、贔屓目なしでも世界トップレベルの戦術的・質的極上の大熱戦となりました。
直近のわたしが見た試合がウェールズvs韓国(記事はこちら)だったのですが、観客数とその熱度・雰囲気そしてドイツ選手の顔つきと雲泥の差で日本サッカー協会のマッチングの成功を非常に感じる内容でした。
この25年弱代表サッカーを見てきた私にとっても1つのランドマークとして感じるこの熱戦を戦術ボードは無しでざっくりとまとめていきたいと思います。
監督進退問題がかかるドイツの現状
屈辱の2大会連続のグループリーグ敗退となったカタールW杯以降、1勝1分3敗と泥沼にハマっているドイツ。
監督のフリック監督は代表とクラブでの実績を備え、長年代表を務めるも最後は空中分解したレーヴ監督の後を継ぎ、人気と人望があった監督でしたが、この成績を経て解任までギリギリの状況で日本戦を迎えました。
そんなドイツのメンバーはマジ中のマジのメンツの中で、
本来ボランチのキミッヒを三笘対策で右のSBに持ってきました。
私の代表観戦歴で時代が変わったなって思った試合の1つに、ザッケローニ時代のアウェーフランス戦があります。
試合は守りに守っての終了間際のカウンターで香川真司が決めてフランスの地で日本が勝利した試合なのですが(動画はこちら)、結果以上に現地の反応が「日本だったら負ける時もあるよね〜」くらいの反応で、時代の移り変わりを感じたのを覚えています。
それと同じような感覚を試合開始前から感じていました。
その理由はキミッヒの三笘対策での右SB起用。
ドイツという強国がなんか当たり前のように日本の対策のために並びまで崩して対応してくることに、日本の進歩を強烈に感じました。強くなった強くなったと日本は言われてきましたが、ここまで明確に強豪チームが日本相手に対策してきた記憶は初めてです。
前半はポゼッションで真っ向勝負の日本
スタメンはこちら↓
【GK】大迫敬介(広島)
【DF】
菅原由勢(AZ)、板倉滉(ボルシアMG)、冨安健洋(アーセナル)、伊藤洋輝(シュツットガルト)
【MF】
守田英正(スポルティング)、遠藤航(リバプール)、鎌田大地(ラツィオ)
【FW】
伊東純也(スタッド・ランス)、三笘薫(ブライトン)、上田綺世(フェイエノールト)
お互い序盤にGKからの繋ぎでピンチを迎えるなど、ポゼッションでの崩しと前からのプレスが試合を左右する高レベルの差し合いになりました。
中央でのデュエルの競り合いと両サイドでのキーマンの1vs1と引かないチーム同士の試合で互角の展開の中で勝負を左右したポイントが2点。
1つはやはり三笘
三笘に対してキミッヒ+もう1枚で見るので、どうしても右に寄るドイツに対して日本が素早いサイドチェンジで右の伊東・菅原コンビの1vs1を促せたのが大きかったです。(得点も全てこのサイドからでしたね。)
また守備面でもキミッヒが攻撃参加できない分、ドイツの右はサネ頼み突破飲みになった分、左である程度リスクをかけなくてはいけなったのも大きかったです。
しっかり崩した右の伊東・菅原コンビとそれでもキミッヒを抜いていた三笘とともに、インサイドに入りながら迅速に三笘に配球できていた伊藤洋輝の働きも評価したいです。
もう1つは鎌田
お互い中央のスペースが狭くなる中、その中でも細かいポジションチェンジを繰り返し、ポゼッション時の選択肢の1つになり続けていました。
これってできる選手がそもそも少ないプレイで高難度なんですよね。
鎌田が間で顔を出すので、ボールが来なくても相手は見なきゃいけないので、その分他のパスコースが楽になる効果を産んでいました。そして、苦しい時には鎌田が寄って助けると目立たないけどいぶし銀のプレイでチームを助けました。
対するドイツはトップのハヴァーツが中央での出口になるべきでしたが、ボールを触れずサイドの大外まで逃げてきてしまっていました。
両サイドの破壊力は互角で中央もバチバチにやり合っている前半の中で、差がついたのはこの鎌田とハヴァーツの部分で、それが全体の試合展開に波及していきました。
後半はカウンター色を強めた日本
リードする前から一変してリード後に浅野を投入して逃げ切りを図るのは、サンフレッチェ時代からの森保さんのお家芸で久しぶりに見たように感じます。(やってはいましたがここまではっきりとしたのは久しぶり)
途中途中差し込まれすぎるところもありましたが、意思統一も含めてしてやったりの展開だったと思います。
前半、日本の脅威になったのはサネの1vs1くらいで中央からの崩しは失点した一回くらいだったので、中央を厚くしながら、サイドを高くしてサネとの1vs1の開始点をゴールから遠くするのは理にかなった戦術変更でした。
前半通りの並びでサネに三笘も付けてダブルチームで守らせるのも手でしたが、そうするとキミッヒまで上がってきて押し込まれ過ぎてしまうので、三笘の脅威を前目に残しつつ高い位置で守らせる手がハマりました。
さらに親善試合らしくテストもできるという一石二鳥の戦術変化でしたね。
前半、前プレスに出た日本もポゼッションで崩せなかったドイツはより攻めあぐねるようになりました。
サイドでの人数を増やして崩すしかないけど、ここには三笘と伊東がいてボールを奪われるとこの前の3人だけでも早くて迫力十分の攻撃ができるし、それを警戒して早めにリトリートすると、日本はボランチを中心にポゼッションし出すと、ドイツ目線だと憎らしい試合コントロールで試合を支配する日本。
終盤には代わって入った久保のプレスと崩しのから2得点を加えて4-1で内容・結果ともに完勝となった日本!
強いです。
何が強いかと言うと、
戦術的にも高レベルなんですが、やっぱりドイツ相手なので剥がされる中、最終的には富安や板倉を筆頭に個人でなんとかしちゃうのが強いですよね。
攻撃面でもそうですが、2枚マークを受けてる三笘もなんだかんだ結構抜いちゃってるし、菅原も長い距離の攻め上がりの後に抜き切ってクロスしちゃうし、上田も無理な体勢から収めるしで、戦術も大事だけどやっぱり個人のタレント力があるとこんなにも違うかと、昔からの進歩を改て感じた試合でした。
まとめ
完勝した日本の次の試合はベルギーでトルコ戦です。
2002年の日韓以来の久しぶりの相手で、直近はユーロ予選でアルメニアの終了間際に追いつかれて引き分けていますが、チャルハノールなどタレント力もありやっているサッカー的にも侮れない相手です。
こういった欧州の中堅はしっかりと割り切った戦術を完遂できるので、このドイツ戦からの延長で見ると非常に危険です。
日本もあくまでもアウェーの試合なので、ちゃんと割り切ることが大事です。
例えば、0-0で前半を終えた時に、「ドイツに勝ったのにやばい」と思うのか、「アウェーで0-0は上々」と思うのかの意思統一がとても大事です。(見る側としてもですね)
私はあくまでもアウェー戦なので、引き分けでも上々と思うべき相手だと思っていて、0-0でも焦らず相手の綻びをつく試合をできればおのずの結果がついてくると思っています。
それ以上に今回これほどの試合を見れて幸せな気持ちでいっぱいです。
各選手採点も書きます。
最後まで読んでくださりありがとうございました〜〜
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