U23アジア杯 SF vsイラク 4-5-1へのシステム変更が見事にハマった

2位でのグループ突破を経て、開催国カタールと延長までもつれた準々決勝を突破した日本。
パリ行きを賭けた準決勝の相手はグループリーグでサウジを退けて首位突破してきたイラク。

フル代表がアジア杯で辛酸を舐めたように、中東での中東の怖さもある中での一戦をざっくりと振り返ります。

荒木を抜擢して変えてきた日本

スタメンとしては基本継続路線。

初戦で退場した西尾も戻ってきたが、CBのコンビは高井と木村のセット。
左には平河がスタメンから入り、トップ下には荒木が入った。

4-3-3の並びが基本セットできた今大会だが、この試合では4-5-1での形になり、松木がボランチのポジションでバランスを取りながら前に押し上げていくスタイルとなった。


結果として、この選択が大吉となった。
イラクも並びを変えて5-4-1のミドルブロックを組んで日本に挑んできた。

4-3-3だとお互いガッツリと組み合ってしまう並びなのだが、4-5-1に日本がしたことにより、
基本ボランチ藤田が浮く。
それを嫌がって藤田をチェックすると、今度は荒木が浮く。

と、相手がドン引きのブロックではなく、少し高めのディフェンスラインを引いてきたこともあり、中央の大事なエリアでキーマンの2人の良さを出せたのが大きかった。

前節で待望のゴールを決めたエースの先制点とこの試合のキーマンの追加点で2-0。
内容も結果も素晴らしい前半を締めくくって、日本は後半に臨んでいった。

警戒すべき攻撃法は2つ

イラクの攻撃で脅威を感じたのは２つ

●伝家の宝刀、後方からシンプルに裏ポン
●イラク7番の個人突破

一番続けられたら嫌なのは相手の最終ラインからシンプルに裏に出されて、肉弾戦からのセットプレイを含めた競り合い。
だったのだが、5-4-1の並びを崩さずにきた結果、前線に一枚しかいなかったので脅威度はそこまでだった。

前半、唯一怖かった相手の左サイドの7番は後半開始時も松木をぶち抜いて、エリア内でクロスを上げるなど脅威だった。
しかし、日本のこちらサイドは大会を通じて安定している山田・関根コンビだったので、次第にトーンダウンした。

山田が7を見ながら相手SBやCBを牽制して配球を封じ、それを超えてきても関根がしっかりと自由を与えなかったので、20分過ぎてからは7番も疲労感が半端なかった。

後半途中から相手も前線を2枚にして、リスクをかけて前からプレスをするようになってからは、チャンスもあるがピンチもある状況で、ここで失点したらとても嫌な雰囲気だったが、この時間に前述の7番トーンダウンしていたのが大きかった。

試合はそのまま2-0で日本が逃げ切り、無事に決勝進出決定で五輪の切符も手に入れました！

まとめ

●荒木を入れた4-5-1がシステム的にもハマった
●相手の中途半端なライン設定に助かったボール回し
●劣勢時でもそれほど攻めてこなかったイラク

復活した細谷の先制点と藤田の落ち着き
個人の輝きと相手のシステムに助けられながら、無事にオリンピック行きを確定させた試合でした。

マリやウクライナとの壮行試合での不安から、初戦の数的不利から韓国への敗戦など、色々ありながらアタランタから続く連続出場のバトンを繋げました！嬉しい！

決勝はこの世代の最強国ウズベキスタンです。

順位がそのまま五輪本戦のグループ分けに適用されて、他の大陸はもう出場国が決まっている結果、２位の方が良さげな組分けになっているのですが、優勝することが大事なので次戦も応援していきます！